ペースメーカーの日常的な注意
ペースメーカーとは、心臓が一定の時間以上とまったままになったときに、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこす、という、非常に精密な器機です。現在、日本で新たにペースメーカーを植え込む人は、年間で約1万人にのぼるといわれます。ペースメーカーは、近年、非常に発達し、故障が少なくなったとはいえ、器械ですから決して100パーセント、人間の心臓そのものというわけにはいきません。ペースメーカーを埋め込む患者さんご本人だけでなく、周囲の人たちがさまざまな配慮をすることが重要です。
列車や公共の場所で、携帯電話の使用を自粛するよう盛んに呼びかけられていますが、その理由のひとつに、携帯電話の使用がペースメーカーに影響をおよぼすから、という理由があります。
携帯電話だけでなく、低周波治療器や電子レンジなども、ペースメーカーに影響を及ぼします。また、ペースメーカーをつけている人は、磁気共鳴画像装置(MRI)による検査や電気メスによる手術を受けることはできません。磁場が発生する環境には充分に注意が必要です。
日本では、現在、日本心臓ペースメーカー友の会が発足し、ペースメーカーを体内に埋め込んだ人たちのさまざまな相談に応じています。同じ悩みをもつ仲間、先輩たちとのかかわりは何よりもの心の支えになることがあります。ペースメーカーを植え込んだご本人、ご家族の方々は連絡してみてはいかがでしょう。
日本心臓ペースメーカー友の会
電話 03―3420―1200